主な活動

◆サラマンドフ会の活動

2015年までの5年間の具体的な支援活動の内容をご紹介します。

 

◆学童への教育支援

ケニヤのツァボ国立公園周辺地域の村落の住民の子どもたちへの野生動物の保護を理解するための教育支援をワイルドライフ・クラブ(注1)を通して行っています。
サラマンドフの会では3つの村落のワイルドライフ・クラブの小学5年生から8年生(注2)を主として対象に支援しています。

※ 注1: 野生生物について学習する小中学生のためのサークル。
※ 注2: ケニヤでは小学校は8年制。

ビリカニ・ライブラリー

サラマンドフの会の野生動物保護の教育支援のための拠点になっています。ライブラリーはサラマンドフの会が設立される以前の2007年に、ビリカニ女性たちの会が中村千秋からの受賞金の寄付を合わせてビリカニの子どもたちのために建てた学習室です。

ビリカニ・ライブラリーで学習する子どもたち

◆教育エコツアー支援

国立公園の訪問を通してフィールドの体験学習

サラマンドフの会ではツァボ国立公園の周辺地域の3つのワイルドライフ・クラブを中心に学童への教育エコツアーを支援しています。
日本から教育エコツアーに参加する訪問者がツァボ地域を知り学ぶのと同じように、地元のこどもたちが国立公園を訪問するフィールド学習を通して野生動物、原生自然の大切さを体得しています。

2011年から2015年の5年間に延べ844名が、ツァボ・イースト国立公園とツァボ・ウェスト国立公園を訪問しました。フィールド体験学習を通してツァボ地域の野生のゾウをはじめとする野生動物の保護と原生自然の保全がいかに大切であるかを知り、さらに深く学び続けています。

サラマンドフ・スピーチ・コンテスト

フィールド学習の後には体験を文章にまとめる作業を課題としています。

予選で選ばれた子どもたちとワイルドライフ・クラブの顧問がビリカニ・ライブラリーまたは参加者たちの小学校に集まって、サラマンドフの会の支援によるスピーチ・コンテストを年に1回行っています。体験学習とプレゼンテーションをとおして野生動物の保護に携わる仕事への関心と将来の夢を膨らましています。

上左: 小学校で行われたスピーチ・コンテストでのプレゼンテーション(2014年)。
上中央: 2011年のスピーチ・コンテスト参加者とワイルドライフ・クラブの顧問。
上右: 2012年のスピーチ・コンテストの参加者。
下左: スピーチ・コンテストの予選(2014年)。
下中央: 2013年のスピーチ・コンテストの参加者とワイルドライフ・クラブの顧問。
下右: 2015年のスピーチ・コンテストの発表者たち。

◆ビリカニ・ライブラリーと卒業生の支援

ビリカニ・ライブラリーでは木製の本棚と所蔵本の一部がシロアリにやられてしまう事件がおきました(2014年)。
サラマンドフの会では緊急支援カンパを呼びかけて、スチール製の本棚を購入するのを支援しました。

ライブラリーは無事継続となり子供たちもお母さんたちも大喜び。子供たちは学習を続けています。

またライブラリーの卒業生たちが、自然保護に関わる仕事に就くのもサラマンドフの会では支援しています。2015年には卒業生がライブラリーの監督アシスタントになり活躍するようになっています。 

 

左: シロアリにやられて倒れたライブラリーの本棚。

中央: 新しい本棚の寄贈で復興したライブラリーに大喜びの子供たち。

右: ライブラリーの卒業生(写真左端)が監督アシスタント。

 

◆ビリカニ女性たちの会の支援

ヤング・ママ(若年層)支援

1993年から続いている洋裁教室の支援プロジェクトは、母から子、子から孫へと世代を超えたプロジェクトとなってきています。 ビリカニ女性たちの会のメンバーが洋裁技術を習得し自信をつけ生活向上を目指すことによってコミュニティーが活性化しています。野生のゾウと畑の作物とのトラブルでコミュニティーが困惑しても、それを緩和するための効果を上げているのです。
サラマンドフの会ではビリカニ女性たちの会のメンバーの若年層を中心に支援を行い、洋裁士の国家試験の挑戦を支援しています。

 

2015年までに、ヤング・ママ14名が洋裁士ドレスメイキング3級に合格し、上級の2級にも2名の合格者を出しました。
3級への挑戦者は一段落して、2級への挑戦が続いています。
洋裁士の資格を取得したお母さんたちが、家族の衣服を縫製するようになっています。
またビリカニ女性たちの会の作品としてビリカニ・グッズを作成し、教育ツアーで訪問する人たちへの支援販売をとおして、女性たちの会の活動を支えています。

上左: ビリカニ女性たちの会の洋裁教室。
上中央:洋裁士1級、2級保持者のママたち(通称オールド・ママ:40歳代後半~50歳代)がヤング・ママたち(18歳~30歳代前半)の技術指導を手伝っている。
上右: ビリカニ女性たちの会の作品のビリカニ・グッズを手にするお母さんたち。
下左、中央: 洋裁士3級の合格証を手にしたヤング・ママたち。2011年合格者(左)、2014年合格者(右)
下右: 洋裁士2級の試験を受ける2人目の挑戦者。

村落への支援

ビリカニ女性たちの会と同様に、子供たちへの教育支援をしている村(コミュニティー)のグループ活動と合わせて支援をして、野生のゾウをはじめとする野生動物の保護への理解を得ています。

写真:女性たちの会の養鶏プロジェクトの支援。

以下は2015 年までに行いました。現在では活動資金の優先順位などを理由に支援を休止しているプロジェクトですが、将来的には復帰させたいと願っているものです。

写真:コミュニティー・グループ(女性と男性がメンバー)のきのこ栽培プロジェクトの支援。

写真:地域住民(成人)の教育ツアーの支援。

◆日本国内での普及・広報活動

会員へのニュースレターの配信、一般向けにメルマガの配信、講演会、交流会などを行い、活動の普及・広報に尽力しています。大学の公認サークルも活動に参加しています。
サラマンドフの会では、ケニヤで野生動物と地域住民との共存を楽しく有意義に学ぶため、現地での教育エコツアーも応援しています。
2015年には5周年記念のイベントを行いました。